強迫性狂愛
その瞬間に目を見開いたまま、私を見てきたかと思うと――…


目を細めたまま、小さく笑った。




「黒様が笑った…」


「なんだあいつ…」


ザワザワと私達を見ては囁きあう声が聞こえてきたけど、気にしないんだ。


笑ってくれた黒澤迅に、少しだけ微笑み返してから授業の準備をしようとして手を離そうとした。


――のに、


「……手、離して?」


冷たい手は離れようとしない。

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