強迫性狂愛
――…
日が変わろうとしている時間に、やっと見れた百花の寝顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。
静かに、百花の寝顔を見つめたまま、頬を撫でる俺に
「黒澤様」
柚香が静かに声をかけてきた。
「なんだ」
「百花の話は、本当なのでしょうか?」
「………」
「本当だとしたら…わ、私…っ」
「紅」
「…はい」
「明日、百花に聞く。もう休め」
「かしこまりました、黒澤様は…?」
「俺は、ここで休む」
「無理をされないでくださいね」
「あぁ」
パタン、と扉が閉まるを聞いてから―…
俺は、思わず額に手を当てた。
百花が妊娠したと…
そうあの写真を見て思い込んで話してしまった。
「百花…悪かった…」
明日は目が腫れてしまうのがわかるほどに、目元を真っ赤にさせたまま寝息を立てる百花に、俺は呟いた。