強迫性狂愛
「もう、おじさんてば。嬉しいけど、そんなことしてたら、おじさんが困るでしょ?」

「いいんだよ、気にすんなって!ももちゃんは、俺の恩人だからな」


そう言って、目を優しそうに細めるおじさんに、思わず肩を顰めた。


「そんなことないよ」

「ほんとになぁ…。ももちゃんの手は、魔法の手だな!」

「そんなことないのに」

「こうして、ももちゃんの手を握ってるだけで、元気になる。不思議だな!」

「きっと、人より手があったかいからだよ」

「そうか?でも、俺はな、ももちゃんから毎日元気もらってんだ」


自慢げに話すおじさんに思わず、嬉しくなってしまう。


「ありがとう。今日もおいしく頂くね。このお野菜」

「おう。気をつけて帰るんだぞ!」

「うん、ありがとう」


おじさんに手を振りながら、家までの道を歩き始めた。
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