強迫性狂愛
「泣いててさ…」


「………」


「あいつ…、病院のベッドでずっと泣いてたんだよ」


「………」


「階段踏み外して、自分のせいだって責めてた」


「階段…?」


「そんなことも知らねぇでいたのかよ?」



呆れたかのように、ため息を零されたことに若干の苛立ちを込めながら、十河に歩み寄った。



「お前が、進めたんだじゃないのかっ!」


「なんで、俺が百花の幸せ奪うようなことしなきゃいけねぇんだよっ!」



お互いに睨みあったまま、視線を外すことなく、強く握った十河のネクタイに力を込めた。
< 601 / 745 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop