強迫性狂愛
一体何をしているのかと思ったいると、鳴り響いたのは、私の携帯…



「あ…っ、」



やばい、そう思った時には遅かった。



「柚香」


「は、はい…」


「俺の携帯を勝手にいじったのか?」


「……っ、」



ここで、認めてしまったら、駄目。



「そ、そんなことしてないけど…」



完全に嘘を突き通そうとする私の言葉が言い終わらないうちに、ヒュッと私の隣を何かが駆け抜けた後―…


カシャンッ…!


小気味いい音を立てて、壊れたのは…



「じ、迅……」



迅の、黒い携帯だった。
< 605 / 745 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop