強迫性狂愛
次の日――…



「大丈夫なの?無理しないでいいのに…」


「平気、いつまでも休んでたら…なんか変なことばっかり考えちゃうし」



紅に心配をかけないように、にっこりと笑って見せた。


だけど―…本当に、なんとかしないと自分でも思わぬ方向に転んでしまいそうで恐かった。


実際、睡眠薬を飲まないと安心して眠れない日が続いていた。


それも通常の量よりも少しばかり多く飲まないと、安心ができない。


そのせいか、寝起きがひどく悪いことに…百花は気付きながらも、気付かないふりをしていた。


部屋を出て、階段を降りようとすると



「百花」



と迅に呼び止められた。


いつもなら、車の中にいる時間なのに、何か忘れ物でもしたの?と聞くと



「行こう」



と私の質問には答えずに、手を取って車に乗り込んだ。
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