強迫性狂愛
「翔くん、今来たの?」


「あぁ、今日は百花が来るって言ってたから。早く来た」


「…、そうなの?」



なぜか翔くんの言葉は素直に受け止められる。


嬉しい、と思える。


あの病院で一緒にいてくれた時から、百花の中で翔の存在がひどく大きくなっていくのを感じていた。



「百花、鞄は?」


「え?教室だよ?」


「そっか」


「うん、もう少しでホームルーム始まるよ?」


「じゃあ、百花はどうしてこっちに向かって歩いてきた?」


「え……っと、」



それは…教室に戻りたくなかったから…なんて、口がさけても言えない…。


思わず、視線を自分の足元に向けた。
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