強迫性狂愛
――…
「百花?」
百花の好きそうな甘い紅茶とお茶菓子を準備して部屋に戻ると、百花の姿が見当たらない。
不思議に思って、テーブルに紅茶セットを置いて、部屋を見渡していないことを再確認してから、廊下へと出た。
……どこに行った?
一旦、帰ってしまったのかと玄関まで行ったものの、靴があることに安堵してまた元の場所へと戻る。
携帯がないと不便だな…
そう思った矢先に、ふと、視界に入った僅かに開いている扉に、思わず背筋が凍った。
まさか
まさか…
「百花っ!?」
バンッと開いた扉の向こうの部屋には―…
「親父…っ」
薄気味悪く笑う親父と、真っ赤な顔で涙を零している百花。
「百花!」
俺は急いで、百花の下へと駆け寄った。