強迫性狂愛
無意識のうちに鞄を持つ手に力を入れて、机に座った。


「百花」

「紅…!」


クラスの中で唯一話しかけてくれるのは紅だけ。

ここに来てからたった1週間。

その少ない時間で私は、紅のことを大好きになっていた。


「初めての授業ね」

「うん」

「何か困ったことがあったら、いつでも聞いて」

「うん、ありがとう」


周りの人達の視線が気にならないわけじゃないのに…、ありがとう。

嬉しくて、そっと紅の手を握った。


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