強迫性狂愛

――…



「黒澤様、どうなさったのかしら」


「ひどく不機嫌なご様子ですわね」


「やはり道浜様の…」



ヒソヒソと話す周りの声などどうでもいい。


昨日は、結局百花は帰ってこなかった。


携帯は学園に忘れたままだったから、俺が持っている。


九分九厘、十河と一緒なのだろう。


そう思うだけで、苛立ちが募る。


早く


早く…


そう思いながら教室から、昇降口を眺めていると



「きた…」



思ったとおり、十河と一緒に、遅刻してきた百花の姿を捉えた。
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