強迫性狂愛
もう2時間目だ。


この時間まで一体何を…


どうしようもない苛立ちに、乱暴に席を立ち、授業中にも関わらず昇降口へと向かった。


昇降口に向かおうと、階段を降りて廊下を歩いていると



「……百花」



十河がしっかりと傍についたままこちらへと歩いてくる百花の姿が見える。


…触るな


ギリリ、と奥歯を噛み締めて早足で2人の前へと向かった。



「百花」


俺の声にゆっくりと顔を上げた百花は、



「………」



顔が真っ青で、目の周りが真っ赤だった。



「…どうした、」



あれ程感じていたはずの怒りを一瞬にして忘れてしまうくらい、ひどい状態の百花に、俺は思わず足を止めた。
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