強迫性狂愛
百花を連れて教室を出る途中柚香、十河の痛いほどの視線が気になったが、気にせずに迎えの車を呼んでから、昇降口で靴を履き替える。



「百花、…行こう」


「……ん、」



未だ零れる涙を優しく拭って、靴を差し出した。


百花は、震える指で靴を履き替えてちょうど到着した車へと乗り込んだ。


静かな車内。


百花は泣いたまま何も話そうとしなかった。
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