強迫性狂愛
歩きながら、ガサガサと音を立てる袋の中を覗きながら


…今日の夕ご飯何かな。

おいしいのだといいなぁ。


ずっと、この場所で生きていくのだと


その時はなんの疑いも持っていなかった。



春らしい柔らかな日差しに心まで温かくなりながら、前を向いて歩いていると、一匹の雀が木の枝にとまったのが見えた。


雀だぁ。


ふふ、かわいい…


雀に視線を止めて、小さく微笑んだ先に見えた景色に違和感を覚えた。





この時、





もしも気付かずに通り過ぎていたのなら―…





運命は変わっていたのかもしれない。
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