強迫性狂愛
――…
百花と迅の声を聞き届けるかのように、海斗は、小さく息をついた。
「まじ、いやになるな…」
眉間に皺を寄せて、独り言のように呟いた。
「こんなに思いあっているのに、どうして…婚約なんか…」
涙ぐむ由佳里の頭を胸に抱いて
「功が動いてる。大丈夫だ」
まるで、自分に言い聞かせるかのように、呟く。
「海斗…」
紅は海斗を見つめてた後、ゆっくりと瞳を閉じて、海斗の胸に頭を預けた。
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