強迫性狂愛
「あ、清則さん」


「功様。お時間になったので、お迎えにあがりました」


「お父さん、そのかしこまった言い方、変だよ」


「一応ね、お客様の前だからね」



そう言って、お茶目に笑う高浜家の運転手を務めるのは、私の…お父さん。


かなり酷い傷を負っていたけれど、命に別状はなくて、迅の計らいで黒澤家の仕事を手伝うことにしてくれた。


その流れで、ちょうど運転手の人員が切れた功さんが、私のお父さんを雇ってくれた。


こうしたら、時々会えるでしょ?って。



「お父さん」


「なんですか。百花さま」


「もう、やだ。昨日電話した時は、百花ーって言ったのに」



私が笑いながら話すと



「仕事中だからね」


「そうだね」


「では、清則さん行きましょうか」


「はい、功様」



軽く私と迅にお辞儀をして黒澤家を去っていくお父さんを見つめる。
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