強迫性狂愛
思わず、息を潜めて近づいていく。



路地裏から、見えた先には―…




「わ…っ、どうしたんですか…?!」




苦しそうに、脂汗を額に浮かべる男の人。


慌てて駆け寄ると、伸ばした手を払いのけられた。


「……、…っるな…」

「え?大丈夫ですか…?」

「俺に…、触るな…っ!」


胸を苦しそうに、掻き抱く仕草に思わず胸が痛んだ。


「………」

「……きえろ…」


そのまま、ずるずると息を深くしていく姿に、一瞬ためらった後…


そっと、近づいた。
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