強迫性狂愛

―――……


「……ふ、ぅっ……」



―――…っは…


大量に飲み込んだであろう水を吐き出させたことに安堵していると


「迅っ…、大丈夫かよ!ほら、早く保健室っ」


焦ったかのように側に駆けつけた海斗が声を張りあげた。


百花ではなく、プールに入ってしまった俺の体を案じているのだろう。


そうだ。


俺は体が弱くて、プールに入ることさえ止められていた。


実際、百花をプールサイドに上げたときは、いつもよりも息苦しさを覚えていたように思える。



なのに、



なんだ、この体は…


こんなに体調がいいのは生まれて初めてのように感じる。


グッ、と何度も拳を作っては開いて、体に流れている血液が変わったような感覚を覚えていた。

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