強迫性狂愛
その頃――…


「海斗」

「功…、まじであれ…迅、だよな…」


海斗の戸惑いもわからないこともない。

今までの迅を考えたら、あり得ないことだ。

プールに飛び込んで、何も体に異変が起こらないなんて。

功は、百花を軽々と抱えたまま姿を消していく迅の背中を目を細めて見つめながら…


「お前だよな、宮原さんのことを調べたのは」


隣にいる海斗に話しかけた。


「…あぁ、そうそう。いきなり迅に、こいつを調べ上げろって言われたけど。それがどうした?」

「宮原さんの実家は?」

「ここから結構離れてるかな。車なら1時間くらいだったはずだけど……それが、なんだよ?」

「いや、そうか。…普通の家なんだよな?」

「あぁ、父親は普通のサラリーマンで、母親は専業主婦の3人家族」


功は、さっきの迅の様子を思い出しながら――…


あることを考えていた。

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