悪魔な天使
「そんな怒るなって~!」
「別に…怒ってないけど?」
怒ってなんてない…
むしろ悲しいんだよ。
どうしても私は瞬にとって
ただの遊び相手でしかない。
どうしたらいいの…?
どうしたら、好きになってくれるの?
ガチャリ
「失礼します」
「し、失礼します!!」
いつの間にか会議室に着いていた。
中には…知らない人ばっかりだ…
「あ、瞬くんも運動会委員なの?いが~い」
「やっぱりかわいいね~!」
知らない先輩が瞬に声をかける。
…ズキ……
年上の方が好き?
「いやぁ、じゃんけんに負けちゃって…!」
「かわいそ~ぅ!」
きっとこの先輩たちも、瞬のこと好きなんだろうな。
「で?こんな子と組まされちゃったって訳?」
「絶対瞬くんが委員になったからだね~!」
…酷いよ。
確かに瞬のことは好きだけど…
そんな気持ちで運動会委員になった訳じゃない。
でもきっと瞬はこう言うんだ。
「そんなことないですよ」
って、笑顔で。
みんなの前では天使でいなきゃいけないから。
私は、瞬のおもちゃでしかないから。
「…黙れカス、コイツのこと、何も知らねぇクセに知ったような口聞くんじゃねぇよブスが!」
……………え?
「ちょっと…瞬……?!」
今…瞬が……
悪魔だった。
「とっとと消えろよ。」
「…瞬くん酷いっ…!」
「何よ…!そんな女…!」
先輩達は、走って逃げてしまった。