饅頭(マントウ)~竜神の贄~
 すらりと静かに抜かれる剣が、やけに光を反射する。

---どうして?---

 あれだけ走ったのに、気づけば彼との距離は縮まっておらず。
 なのに抜かれた剣は、間近にあるように目映い光を放って、彼女に突きつけられる。

 恐怖というより驚きが。
 驚きよりも悲しみが、少女を包んだ、その瞬間。


 剣が、振り下ろされた。
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