饅頭(マントウ)~竜神の贄~
「・・・・・・神官様に、挨拶をしに行くか」
拾った宝石を指先で弾きながら、虎邪はあばら屋に近づいた。
扉を叩こうとしたとき、不意に内側から扉が開く。
驚いた虎邪と、中から転がるように出てきた老人の目が合う。
老人は虎邪を見るなり、がばっとその場に平伏した。
「ああ・・・・・・あなた様が、今回の儀式のためにいらした神官様ですね」
「・・・・・・よくわかったな」
初見で虎邪を神官だと思う人間は皆無だ。
神官然とした独特の着物を着ているわけでもないし、何より若すぎる。
そもそも神官は、剣など差していない。
「ちょうど良かった。此度の儀式について、今一度占いを・・・・・・」
「占い?」
老神官の言葉を聞きながら、虎邪はその後ろの、家の中を窺った。
思ったとおり、それなりに良い調度品が並んでいる。
しかし供物を全て掠めているにしては質素だ。
不審に思っていると、老神官が立ち上がり、家の中へ促した。
「簡単に家に入れるあたり、虎邪の読みは外れてるんじゃないか?」
ぼそ、と後ろから緑柱が言う。
う~む、と虎邪も考え込むが、外見よりも内側のほうが豪華なのは確かだ。
アンバランスさは隠れ蓑にしか思えない。
拾った宝石を指先で弾きながら、虎邪はあばら屋に近づいた。
扉を叩こうとしたとき、不意に内側から扉が開く。
驚いた虎邪と、中から転がるように出てきた老人の目が合う。
老人は虎邪を見るなり、がばっとその場に平伏した。
「ああ・・・・・・あなた様が、今回の儀式のためにいらした神官様ですね」
「・・・・・・よくわかったな」
初見で虎邪を神官だと思う人間は皆無だ。
神官然とした独特の着物を着ているわけでもないし、何より若すぎる。
そもそも神官は、剣など差していない。
「ちょうど良かった。此度の儀式について、今一度占いを・・・・・・」
「占い?」
老神官の言葉を聞きながら、虎邪はその後ろの、家の中を窺った。
思ったとおり、それなりに良い調度品が並んでいる。
しかし供物を全て掠めているにしては質素だ。
不審に思っていると、老神官が立ち上がり、家の中へ促した。
「簡単に家に入れるあたり、虎邪の読みは外れてるんじゃないか?」
ぼそ、と後ろから緑柱が言う。
う~む、と虎邪も考え込むが、外見よりも内側のほうが豪華なのは確かだ。
アンバランスさは隠れ蓑にしか思えない。