饅頭(マントウ)~竜神の贄~
---まさかとは思うけど、あのかたは私を嫌っていて、駆けていったからムカついて斬りつけたとか? うわっ・・・・・・最低・・・・・・---
あれこれと考えを巡らしていた神明姫は、不意に聞こえた、ばきんという乾いた音に、我に返った。
顔を上げると、破落戸その一が持っていた棍棒が、ばっきりと折られている。
「ほい、一丁上がり」
緑柱が己の頭の上で、両手をひらひらしながら言う。
ぱらぱらと、木の屑が落ちた。
男が唖然と、緑柱を見る。
「はっはっは。驚いたか。緑柱の頭は、岩をも砕くぜ」
何故か虎邪が胸を張る。
「岩は無理だよ」
冷静に突っ込みながら、緑柱はちらりと破落戸その一を見た。
びくんと破落戸の身体が強張る。
「く、くそっ」
男が呟き、破落戸に向かって顎をしゃくる。
「姫も馬鹿なお人だ。私のところに来れば、怖い思いをしなくても済んだものを。きっと後悔しますよ」
吐き捨てるように言い、男は破落戸を従え、踵を返して立ち去った。
あれこれと考えを巡らしていた神明姫は、不意に聞こえた、ばきんという乾いた音に、我に返った。
顔を上げると、破落戸その一が持っていた棍棒が、ばっきりと折られている。
「ほい、一丁上がり」
緑柱が己の頭の上で、両手をひらひらしながら言う。
ぱらぱらと、木の屑が落ちた。
男が唖然と、緑柱を見る。
「はっはっは。驚いたか。緑柱の頭は、岩をも砕くぜ」
何故か虎邪が胸を張る。
「岩は無理だよ」
冷静に突っ込みながら、緑柱はちらりと破落戸その一を見た。
びくんと破落戸の身体が強張る。
「く、くそっ」
男が呟き、破落戸に向かって顎をしゃくる。
「姫も馬鹿なお人だ。私のところに来れば、怖い思いをしなくても済んだものを。きっと後悔しますよ」
吐き捨てるように言い、男は破落戸を従え、踵を返して立ち去った。