饅頭(マントウ)~竜神の贄~
その頃、そのアホ神官は、神殿の書庫でカビ臭い書物をひたすらめくっていた。
「虎邪ぇ。お腹空いたぁ」
膨大な書物の中から、緑柱が虎邪に声をかける。
が、虎邪は答えず、机に積まれた本の間に座り、一心にページを繰っている。
机の上に胡座をかいた態度はいただけないが、その表情は見たこともないほど真剣だ。
物凄いスピードで、どんどん分厚い書物のページが繰られている。
「・・・・・・これじゃない」
ばさ、と繰り終わった本を投げ捨てては、新たな本を手に取る。
そんな作業を、もうかれこれ半日ぐらい続けている。
すでに町は眠りにつき、物音一つしない。
「虎邪の能力を持ってしても、いまだに見つからないなんて。祭事の記録なんか、ほんとにあるのかなぁ」
随分前に老神官が差し入れてくれた軽食を頬張りながら、緑柱はぶつぶつと言う。
「まともな神殿なら、大規模な祭事を行えば、ちゃんと記録してるはずだ。滅多に行われないならなおさら、記録取っておかないと、いざ行うときに、わからないことが出たら困るからな」
「そっかぁ、そうだね。じゃあさ、気は進まないけど、もう一回俺が捜してあげようか?」
「虎邪ぇ。お腹空いたぁ」
膨大な書物の中から、緑柱が虎邪に声をかける。
が、虎邪は答えず、机に積まれた本の間に座り、一心にページを繰っている。
机の上に胡座をかいた態度はいただけないが、その表情は見たこともないほど真剣だ。
物凄いスピードで、どんどん分厚い書物のページが繰られている。
「・・・・・・これじゃない」
ばさ、と繰り終わった本を投げ捨てては、新たな本を手に取る。
そんな作業を、もうかれこれ半日ぐらい続けている。
すでに町は眠りにつき、物音一つしない。
「虎邪の能力を持ってしても、いまだに見つからないなんて。祭事の記録なんか、ほんとにあるのかなぁ」
随分前に老神官が差し入れてくれた軽食を頬張りながら、緑柱はぶつぶつと言う。
「まともな神殿なら、大規模な祭事を行えば、ちゃんと記録してるはずだ。滅多に行われないならなおさら、記録取っておかないと、いざ行うときに、わからないことが出たら困るからな」
「そっかぁ、そうだね。じゃあさ、気は進まないけど、もう一回俺が捜してあげようか?」