ワガママ王子に溺愛されて。
「ごめんごめ―――、ぎゃッ?!」
とりあえずもう1回謝ろうとした瞬間。
急いでいたせいか私は何もない場所で盛大に転んでしまった。
「椎那!?だいじょ―…」
「あはは、ごめんごめん。私ったらほんと鈍くさいなぁ………、…あれ?ジュース…」
私は苦笑いしながら思いっきりこけてしまった体を起こしたのだけど………
さっきまで両手に持っていたはずの紙カップがなくなっていて―…
その時だった。
コロン、って音がして空の紙カップが床に転がったのと、床に座り込んだままだった私の前に立つ男子生徒のズボンが目に入ったのは――…