咲かない桜が咲くまで
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さっきのは、八つ当たりと言うものなのか…
謝りたい…彼に…春に謝りたい…
誰かと関わるのはあまり好まないけど
嫌な気分にさせたのは間違いない
「謝ろう…」私が向きを変えると同時に
さっきの嫌な感じが襲う
「ねぇ…琉良ちゃんよぉ」
「なんですか?」
「なんですか?じゃねーよ!!」
ごみばこが吹き飛ぶ…可哀想…
「なんでぇ…春君と居るわけ?」
「助けてもらっただけです」
「彼氏なんじゃないの?」
「違います」
即答…してしまった…
失礼だったかもしれない…
「ふぅん…へぇ…」
そのときグッと襟元を掴まれ
持ち上げられた
「くる…し…ぃ」
「息が出来ないでしょ?そのまま死ねば?」
「…!?」殺すつもりなの?
私を殺すつもりなの?
別にいいよ…
私なんか居なくても、変わらない…
そう思った時だった
私の掴まれていた襟元が緩んだ
「やめろよっ!」
「その手を離すんだな…」
「なにしてんのかな〜」
「可哀想に…」
「あっ…あっ…」
助けてくれたその声は…一人じゃなかった…