咲かない桜が咲くまで
一人でいる時間が好きだ
誰の声も聞こえないこの空間が好きだ
屋上ー…それはとても立派な所だと
最近思う…

私の持病は病名がはっきりしていない
喘息…発作…吐血…
小さい頃は日常茶飯事だった現象

やっぱり、蹴られたのが痛かったかな?

誰かの足音が聞こえた…
だけど私は振り向かない…
知っているの…この空間に誰が来たか

「琉良…悪かった…」
「春君…」
「悪かった…」
「なんで貴方が謝るの?」
「蓮は双子の弟だから…」
「そうなの…」

普通に会話ができてる…
嘘…

やめてよ…期待させないで!
友達なんて
すぐにいなくなっちゃうものなの!
そう自分に言い聞かせたって

もう無駄だった

春の優しいその笑顔
春の大きな手…
春の声…

すべてが…温かくて私を包み込んでいた
いつのまにか…春は私の心を
温めてくれていた…んだと

気づいたの…
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