咲かない桜が咲くまで
昼休みー

「話って…?」
「別れましょう…」
「はっ!?」
春は慌てていた
「なんで!俺なんかした!?」
「ううん…何もしてない…」
ごめんなさい…
「じゃあなんで!」
ごめんなさい…
「私病気だし、迷惑かけちゃうから…」
「なっ…」
「約束守れなくてごめんなさい…」

本当にごめんなさい…



言葉を詰まらせる春に私はさらに言う
「春がいなかったら…私はここまで
変わってなかった…ありがとう…」

後ろを向いた時だった

「行くな…ちゃんと理由が聞きたい
由莉奈になんか言われたのか?」

どきっ/

心の余裕はなくなって行く

「私はっ…」
「琉良が病気なのも知ってた!
知ってて付き合ったんだ!
それを迷惑だなんて思ったことない!」

嬉しい…期待してしまう

「春…」
「好きなんだ…大好きなんだ…」
「春…っ!」
「別れようなんて、言うなよ…」

大きく変わってしまった
哀れな…私の心

その様子を…影で由莉奈が見てたのも
知らないで、
私は春に抱き締められていた

< 26 / 78 >

この作品をシェア

pagetop