咲かない桜が咲くまで
「行くな…」
彼の腕の中に私は
すっぽりと収まっている
「!?離して!離せ!」
その中でバタバタするが春はビクとも
しない
「俺…さ…」
バタバタバタ
煩い足音…そして乱暴にドアが開く

「るーいちゃん?どこかな〜?」
マズイ…こんな状況見られたら
もっとめんどくさいことになる
「今は黙って俺に抱かれてろ…」
とりあえず落ち着いて
春に体を預ける
「いいこだね…」
カーテンを開けられ
私は春の裾を強く引っ張った
ぎゅう…抱きしめる力が強くなった
…そんな気がした…
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