咲かない桜が咲くまで
「春君…?何してるの?」
「彼女と保健室デート…」
「えっ!彼女いるの!?」
私とは違う、甘ったれた声を出し
春に気に入られようとしている
「…!」
何かに気づいたのか
ニヤリと笑っているような気がした
「その…小野寺琉良に用が
あるんだけど」
「だーめ、この子は
今俺とラブラブ中だから」
「…っ!」
(春頑張れ!)心でその思いが出てきた
何だろうこの感情、だけど…
「もう…いいです…」
ふらりと立ち上がって私は
いじめっ子の本井 由莉奈の方へ寄った

「この人は関係ない…
私に用があるんでしょ?」
「ふんっ放課後でいいわ
だいぶ痛むはずよね〜お腹…
今日はそれ…やり続けるから」
「もうどこか行ってください」
「ふんっ」

由莉奈は何処かへいき
私は蹲った
それと同時に、咳が出て…血を吐いた
元々体は弱かったのだが
相当なことをやらないと
ここまで酷くはならなかった

「ハァハァ…あ…りがと…う
ござい…ました…」
言葉も途切れ途切れ…
精一杯のお礼は言えた

この人は巻き込まない

誰も巻き込まない
誰かを巻き込むのがどれほど辛いか
身を持って知っている
「血…!?お前マジで大丈夫」

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