咲かない桜が咲くまで
「私達…あの…屋上の上で…」
「ああっ…覚えてるよ…」
涙をこぼしてる春…

春の涙を見ていると
私の目からも涙がでてきた
「お別れしなきゃ…」
「どうして!?」
「見て…」

私は意識が朦朧としている中で
あの桜の木を指差した

「咲いてる…でしょ…?」

咲かなかった桜の木は誇らしげに
咲いてる

「桜の木が呼んでる…逝かなくちゃ…」

「だめだっ!逝くな!
俺を置いて逝くな!」
「春…大好きよ…愛してる…」

「逝くな…!琉良ぃいい…!」
私は春の頬にキスをして…

意識を失った…
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