光に向かって…
歩いていると
雪が降りだした
冷たくて
冷たくて
冷たい雪が
降ってきた
だから思ったんだ


私が雪の精ならば
暖かい雪を降らせましょう
誰もが
彼もが
そして
とぼとぼ歩く
野良猫さんも


みんなが寒くないように
暖かい雪を降らせましょう


ついでに味もつけましょう
私が雪の精ならば
甘くてフワフワおいしい雪を
みんなの元へ
届けましょう
食いしん坊の
誰もが
彼もが
フラフラ歩く
野良猫さんにも

おいしい雪を降らせましょう


暖まって、お腹もふくれたなら
最後はキラキラ光るから
道に迷わないよう
照らすから
誰もが
彼もが
スタスタ歩く
野良猫さんも

ちゃんとお家に帰るまで
キラキラ光る雪を降らせましょう


私が雪の精ならば…







いつの間にか
雪は止んでいた
そこにあるのは
澄みきった
冬の夜空だけだった






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