お買い物のお姉ちゃん
記憶があやふやなくらい小さなとき。
おばあちゃんの家に連れて行かれた。
そこに親戚の子供が集まっていた。
その中の一人。
何かと小さい私の面倒を見てくれ、
どこかへ出かけるときには手をつないでくれた。
子供心で
すぐ、大好きになった。
『このヒトは、お買い物のお姉ちゃんって言うんだ』
しばらくして、姿が見えなくなったお姉ちゃんを
探そうとして、
大人に訊いた。
『お買い物のお姉ちゃんは?』
大人は沈黙した。
誰のことなのか分かるように説明した。
でも、沈黙。
泣きながら説明した。
と、
母が言った。