The Back Unit
12月の凍える寒さの中、僕は外に出ていた。
風はぴゅーぴゅー吹くし、気温は氷点下並だ。今にでも雪が降ってきそうなほど。
マフラーにあったか帽子、ダウンに手袋、そんな恰好をしている僕でも凄い寒いと思う。
そんな中なんで外に出ているかって?
そうだよね…
おかしいよね…
だって元々僕はインドア派だし、寒いとこ行きたくないし、人混みも苦手だから外なんてめったに出ない。
いつもは少しさびれたアパートにぬくぬくとしているのに…
「…なんでこんな状況なのーっ!?」
僕は僕の置かれている最悪な状況に小さく叫んだ。
でもそんな声は誰にも届かなくて。
…目の前にいるこの人達にも。
「あんた…−−さんの息子さんでしょ?」
サングラスをかけた男のスキンヘッド集団が僕の前に立ちはだかる。
よく分からないけど皆いらいらしてて
とても怖い……
ち、違いますって!!なんかの誤解ですっ!
そう言いたくても恐すぎて声が出ない。