The Back Unit




気がつくと足を踏まれていた。


「オラさっさと言えよ!!」


男にガンガン足を踏まれて僕は泣きそうになった。


「ほ、本当に…違います……っ」


痛いのがいやで泣き泣きそういう。
しかし聞こえなかったのか、男は今だに僕の足を踏み付ける。


「こんの糞ガキっ!」


他の人達が僕を蹴りはじめた。
痛いっ痛いからっ…!!


「…そんな人知りません…っ!!」


精一杯の声でそう叫んだ。
息が切れる。寒いから白い息。


「チッ……」


男の人が僕から離れる。
よかった……分かってくれたんだ…



そう思ったのもつかの間。



「じゃぁ、バイバイだな。小僧。」


チャキッ…
男が音を立ててナイフを出してきた。

そしてその刃先は…僕。


「ヒィッ……」


もう声も出ないほどの恐怖だった。
全身痛いのも忘れて頭が恐怖で締め付けられる。

その間にも男は僕に近づいてくる。
回りにはいっぱい人がいるし、後ろが海だからどこにも逃げられない。


僕…死ぬのかな…?
ここで…何も知らないまま…?

怖い…怖い…怖いよ…っ!
誰か…


「助けてっ……!!」







「うるさいなぁ…」
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