天使が空から、降りてきた。

 私の目の前に運ばれてきたその

食べ物、カレーというものは、

決して、美味しそうに見える食べ物

ではなかった。

天使の世界では、食べるという習慣が、

ほとんどない。

ただ、たまに、いたずら好きの天使が、

人間社会から、美味しそうなものを

見つけ、天使の世界に持って来て

しまう事が、あった。

これは、天使として、本当に、よくない

行動であるが、暇なんだもの、

天使にだって、まがさす事が、あるのだ。

それで、一度だけある。

人間界の食べ物を、食べた事が、

ケーキという食べ物だった。

見た目も綺麗で、可愛くて、

食べたら、本当に、美味しいかった。

だが、今、目の前に運ばれてきたものは、

とても、美味しそうには、見えない…。


 「美味しいから、食べてみなよ。」


目の前の彼のその言葉は、

罰ゲームの言葉のように、聞こえた。

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