地下世界の謀略
「しょうがないじゃん、……"地下世界"に来たの初めてなんだから」
思いをぶつけるようにそう訴えると、青年は目を見開いて驚愕の顔を浮かべた。
一方言い切った月は急に大声を上げてしまった羞恥で顔を背けてしまった。
「…なんだと?アンタ、ここの住人じゃないのか?」
「っ元は地上にいたの。……だからこんなとこに置き去りにしてくことないでしょ、」
同情でもいいから買ってくれたっていいでしょうに。
勝手な言いがかりかもしれないが、彼が行ってしまえば私は本当に独りになる。そんなの、あんまりだ。
不安やら寂しいやら色んな気持ちを抱えながら独り歩くのは、ずっと悲しい。
「─────やだね」
「っ……」
それなのに、切望は叶わず容赦無く切り捨てられた。唇を噛み締めた月に青年は息を吐いた。
「そんなのただのアンタの我が儘だ。それに、俺は地上の人間は好きじゃない。利害は一致しない、だから無理」