僕のとなりは君のために
正直あの時、君の出現は僕にとってとても嬉しいことだったんだ。

僕たちの出会いはあまりにも衝突的で、唐突だった。

君は風邪のように気ままにやってきて、風のように去っていく。ろくに言葉を交わすこともないままに。

それになぜだろう。君は彼女と重なって見えてしまう。

性格も、顔も、一挙一動も、まったく違う人間なのに、僕はまた君に会いたいと心の中で願った。

そして、それが現実となった。


唯一の不満を述べるとしたら、僕たちの出会いはいつも慌てていて、なんの準備もないままやってくる。

しかも、出会い頭はいつも衝突だ。

昨日同様、今日も、君の拳が僕の顔面にヒットしていた。
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