僕のとなりは君のために
だが、僕の勝利とともに、奈美子の黄色い喝采が、僕に勝利の女神がまだ傍にいることを知らせてくれた。
「すごーい! 私もこのゲームにハマってるの。ねぇねぇ、教えて」
奈美子が子供のように僕の腕を掴んできた。意外な一面を見た気がする。
すこしドキッとしたけど、
「いいけど」
とぶっきらぼうな声を出す事しかできなかった。
僕は立ち上がり、彼女に席を譲った。
彼女は驚くほど不器用な姿を見せてくれた。同時に指を二本以上に動かせないのだ。
人差し指でゲームのボタンをタッチするように遊んだ。
不憫だと思った。
これも意外な一面だった。
「違うよ。これはこうやるんだ」
少しかがんで、僕は彼女の手を握り、いざ反撃開始。
素晴らしいひと時だった。
二人で一緒に叫んで、一緒に笑った。
あのゲームがいつまでも続いてくれるような気がした。
彼女の髪から嗅いだシャンプーの匂いを、いつまでも感じていたかった。
思えば、あのとき、僕は恋に落ちたのだ。
ゲームが終了した。
楽しい余韻を胸に抱きながら僕らは見つめあった。
僕ははっとなり、彼女の手を離した。
「ごめん・・・・・・」
いよいよ気まずいときがやってくる。
ゲーム終了したと同時に、僕は奈美子にとって用なしとなった。
でも、まだ居たい。まだ帰りたくないと、思うのは僕のわがままだろうか。
僕が立ち尽くしていると、奈美子はまるで僕の心情を察知したかのように、ごく自然に僕の手を引いた。
「ねぇ、あのぬいぐるがほしい。取ってくれる?」
やっぱり彼女は大人だった。
「すごーい! 私もこのゲームにハマってるの。ねぇねぇ、教えて」
奈美子が子供のように僕の腕を掴んできた。意外な一面を見た気がする。
すこしドキッとしたけど、
「いいけど」
とぶっきらぼうな声を出す事しかできなかった。
僕は立ち上がり、彼女に席を譲った。
彼女は驚くほど不器用な姿を見せてくれた。同時に指を二本以上に動かせないのだ。
人差し指でゲームのボタンをタッチするように遊んだ。
不憫だと思った。
これも意外な一面だった。
「違うよ。これはこうやるんだ」
少しかがんで、僕は彼女の手を握り、いざ反撃開始。
素晴らしいひと時だった。
二人で一緒に叫んで、一緒に笑った。
あのゲームがいつまでも続いてくれるような気がした。
彼女の髪から嗅いだシャンプーの匂いを、いつまでも感じていたかった。
思えば、あのとき、僕は恋に落ちたのだ。
ゲームが終了した。
楽しい余韻を胸に抱きながら僕らは見つめあった。
僕ははっとなり、彼女の手を離した。
「ごめん・・・・・・」
いよいよ気まずいときがやってくる。
ゲーム終了したと同時に、僕は奈美子にとって用なしとなった。
でも、まだ居たい。まだ帰りたくないと、思うのは僕のわがままだろうか。
僕が立ち尽くしていると、奈美子はまるで僕の心情を察知したかのように、ごく自然に僕の手を引いた。
「ねぇ、あのぬいぐるがほしい。取ってくれる?」
やっぱり彼女は大人だった。