Disteny~Plelude~
その扉の前は雰囲気が違った。体が重くなるような圧迫感。
「この中にあの子はいる」
夢の中の少女を浮かべながら扉を開く。その中は闇が広がっていた。
「……ス………テ」
「この声は!」
夢の中の声と同じ、か細く透き通る声。
その声に反応するよにルビーのネックレスが闇に光を放ちながら浮かびあがる。
――そして十字架に吊るされた少女が目の前に。
「私を解放しろ」
か細い、透き通る声とは対称的に凛とした鈴の音の様な声が響く。
その声は少女のものだ。少女の目は閉じたままで口だけが動く。