【完】アタシは3代目。
ん?
手に温もりがあるから見てみると、誰かに握られていた。
その人は、ベッドに伏せて寝ていた。
顔は見えなくても、この温もりだけでわかる。
「大地、ありがとう」
あたしはそっと、大地の頭を撫でた。
「大好き」
あたしがそう言うと、大地の頭が少し動いた。
もしかして、狸寝入りしてるのかと思い色んな言葉を言ってみた。
カッコいいねとか、よっ、日本一!とか。
大地が言われて嬉しそうな言葉ばっかりだから、あたしは最終手段に入った。
「由樹くんって、カッコいいよねぇ。あたし、由樹くんと付き合っちゃおうかなぁ?」