【完】アタシは3代目。
「紀一の部屋って、一人部屋だったよな?」
「うん。紀一の部屋で、生活させんの?」
お父さんは頷いた。
「だから咲から、紀一に頼んでほしい」
「んなの、お父さんがすればいいでしょ!」
やだよ。
都築のために頭下げるなんて…。
「俺は今から仕事に行く。だから無理だ」
って、呆気なく断られた。
そして
「紀一、頼む!紀一しかいないんだ。ダメか?」
都築のために頭を下げるはめになってしまった。
「お嬢。頭を上げてください。わかりましたから…」
「ホントか?紀一。お前はいい男だ!!それじゃ、都築を呼んでくるな!!」
さすが紀一だ。
大門組に紀一が居て良かったと、アタシはこの日ずっと思っていた。