【完】アタシは3代目。
「都築。本当に、わかるのか?」
「生徒を、信じないのかよ。ハゲ」
そう言って大地は、あたしの隣まで歩いてきた。
「貸して、それ」
あたしが持っていたチョークを、優しくとって問題を見つめた。
そしてすぐに、チョークをおハゲっちょに返した。
おハゲっちょは大地が解いた問題を見て、目を見開いた。
「……ぜ、全問正解、だ…」
嘘、でしょ…。
多分このクラスにいる全員、そう思ってるはずだ。
あたしも、その一人。
大地は授業にでることが、あまり無い。
しかも、授業に出ていても寝てるだけ。
そんな大地が、ササッと問題を解いたんだから。
「……凄い」
その言葉しか、出てこない。