【完】アタシは3代目。
「おっ、咲。久しぶりだな」
あたしが言ったあの店とは、ダンディーなおじさんが経営する酒屋。
「おっさん久しぶりだな。ナツと仁には、どのお酒が合うと思う?」
「あの二人もう二十歳かぁ。咲も高校2年生だしなぁ。大きくなったなぁ」
おっさん。
早く答えろよ。
「やっぱあの二人には、焼酎をオススメするよ。値段はちょっと、高いけどな」
そう言われて値段を見ると、普通の値段よりかは高かった。
「高いけど、仕方ないな。ナツと仁の二十歳の誕生日だからな。
おっさん、これ買うよ」
「さすが咲だ。男前だなぁ」
「失礼だな。あたしは女だ。……一応だが」
「ハッハッハ。すまんすまん。じゃあ、充(ミツル)によろしく伝えといてくれ」
あたしはその言葉には返事をせずに、手を振った。