【完】アタシは3代目。



「おっ、咲。久しぶりだな」



あたしが言ったあの店とは、ダンディーなおじさんが経営する酒屋。



「おっさん久しぶりだな。ナツと仁には、どのお酒が合うと思う?」



「あの二人もう二十歳かぁ。咲も高校2年生だしなぁ。大きくなったなぁ」



おっさん。
早く答えろよ。



「やっぱあの二人には、焼酎をオススメするよ。値段はちょっと、高いけどな」



そう言われて値段を見ると、普通の値段よりかは高かった。



「高いけど、仕方ないな。ナツと仁の二十歳の誕生日だからな。
おっさん、これ買うよ」



「さすが咲だ。男前だなぁ」



「失礼だな。あたしは女だ。……一応だが」



「ハッハッハ。すまんすまん。じゃあ、充(ミツル)によろしく伝えといてくれ」



あたしはその言葉には返事をせずに、手を振った。



< 8 / 213 >

この作品をシェア

pagetop