ある世界での物語
第一章
魔法空間へ
「おーきーてーっ!」
聞き慣れない声が耳元で響く
「ほらっ!いつまで寝てる気?!」
「…うるさい」
「はぁ?!」
私の小さな呟きにそんな怒った声が返ってきた
…もう、朝から何?
そう思うと目を開く気にはならなかった
「…もう、怒った」
次に言葉が落ちたら生まれるのは静寂
無言の空間が続く
…さっきの何だったんだろ?
寝ぼけた頭のまま少し目を開いてみる、と