ある世界での物語
と、その時
「?!」
走っていたはずの足が勝手に止まった
え、何?!これ?!
驚いて再び進めようとするけど足が言うことを聞かない
ど、どうなってるの…?
混乱している頭を頑張って回転させるけどわからない
まったく、理解できない
「ごめんねー。驚いた?」
そんな声に肩を上げる
「あ、怯えないで。別にひどい事はしないから」
クスクス笑いながら言う彼、
…その言葉、まったく信用ならない
「こうでもしないと逃げちゃうでしょ?」
再び私の前に立って問う彼
「な、んですか…これは…」
フードを被っているせいで口元しか見えない彼に尋ねる
と、楽しそうにその口元は弧を描きながら
「魔法」
そう言った