始まりはいつも
始まりはいつも春だから。
〈三冊の本は、ばらばらになることを選んだ。
一カ所にいるより、可能性は三倍になる。
みんな、ハルに会いたかった。
始まりはいつも春だから。
さてここで問題です。
……やっぱり、続きを読んでくれ」
「あ、はい」
[俺に頼めよ!」
〈悪いな。わたしはこの景色を、見届けたいのだ。」
[いや、だから俺に頼めよ!」
「さてここで問題です。ほら謎解きだよ折助。
『アキの木の葉はどこへ行ったでしょう?』」
[……へ?」
「ハルがとっちゃった、アキの木の葉だよ。御神木に戻れなくなって、泣いてた」
[……うーーーん」
「わたしが答えても?」
「もちろん。あ、ちょっとまって。
次の頁めくってもいいみたい。
―『正解です』、だって。」
[ちょっ、なんで答え言う前に正解なんだよ!」
〈たぶん、答えはわたしだからな。」
一カ所にいるより、可能性は三倍になる。
みんな、ハルに会いたかった。
始まりはいつも春だから。
さてここで問題です。
……やっぱり、続きを読んでくれ」
「あ、はい」
[俺に頼めよ!」
〈悪いな。わたしはこの景色を、見届けたいのだ。」
[いや、だから俺に頼めよ!」
「さてここで問題です。ほら謎解きだよ折助。
『アキの木の葉はどこへ行ったでしょう?』」
[……へ?」
「ハルがとっちゃった、アキの木の葉だよ。御神木に戻れなくなって、泣いてた」
[……うーーーん」
「わたしが答えても?」
「もちろん。あ、ちょっとまって。
次の頁めくってもいいみたい。
―『正解です』、だって。」
[ちょっ、なんで答え言う前に正解なんだよ!」
〈たぶん、答えはわたしだからな。」