始まりはいつも
「アキの木の葉は、自分よりも大泣きしていた、幼子に宿ったのでした。

ハルが宿った木刀を、これからも肌身離さず持っていてくれるであろう、

小さな女の子に。」

[女の子ぉ?!」

「……。」

〈……。驚くところはそこか?」

[いや~、え~と。」

〈最初からずっと『わたし』と言っているだろう!」

[怖い!怖いから!」

「夏、秋、冬は、木刀に宿ることにした。

本の中より新たな樹木より、そのほうが色んな場所へ行ける。

ようやく会えた春とともに。少女とともに。」

〈本が――消えた。」

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