始まりはいつも
〈そこへ登るっ。はしごはどこだ!」

「階段です」

[……春だなあ。」

〈悪かったなあ!」

「折助!清井寺は生まれて初めて市立図書館を利用するんだよ。

折助だって幼稚園のとき初めて私とここに来て、

一人でわけのわからないところに行っちゃって、

挙げ句の果てには本棚の中で寝てたじゃない。」

[くっ……オマエこそ、ボランティアとはいえ、仕事中だろ。」

「まあ所詮、小学生だしね。

クラスの友達が来てくれるって話したら、今日はもう遊んでいいよって。

清井寺、図書館の中案内してあげるからね。折助もつきあってよ。」

[えー?」
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