始まりはいつも
「ちゃんと二階のミステリーコーナーで放置してあげるから。

読みたがってた名探偵シリーズの新刊、隠してあるんだけどな~」

[はっはっは、しょーがないなあ。

俺が案内してやるかあ。

ここは一階。児童書とガキどものたまり場だ。

まあけっこう充実してて…」

「あれ?この本、一階じゃなくて二階のやつだ。」

〈なぜ、わかるんだ?」

「背表紙に、分類表っていうのがついていて、

この図書館では階ごとに色分けしてあるの。

正しい場所に戻してあげなきゃ。上行こうか。」

タン、タン、タン……(階段)
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