始まりはいつも
[俺にはわかる。

さっきの音で思い出した。

幼稚園時代にここの本棚で寝ちまった時、

俺はこの本のつづきをを見つけたくてうろちょろしてたんだってな。

あの時は一人だったから、三冊そろえても開けなかったけど……あった三冊目!」

「やったねっ。あとは三人で…」

(バチンッ)


「きゃあっ!どうしていきなり真っ暗になるの、停電?」


〈本が、光ってる。4階へ、行けって。」

「この建物に、4階なんて、ないよ…?」

〈でもここは三階で、わたしたちの持っている本は上りの階段を照らしている。行こう。」


タン、タン、タン……(階段)
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